③屋根の葺き替えの費用相場
屋根の葺き替えの費用相場は、一般的な30坪住宅の場合で120~200万円。
費用の主な内訳は、新しい屋根材の購入費と設置費が45~90万円、下地の補修が20~30万円、既存の屋根の撤去費用が12~20万円です。
葺き替えは、屋根の工事方法のなかでも最も費用が高額な作業になります。
「屋根葺き替えの費用内訳」「屋根葺き替えの単価」の相場です。
(3-1)屋根の葺き替え費用の内訳
工事内容・費用項目 |
費用(単価)相場 |
足場費用 |
700円~1,000円/㎡ |
養生費用 |
200~300円/㎡ |
既存屋根の撤去費用 |
1,200円~2,000円/㎡ |
下地(野地板)の補修費用 |
2,000円~3,000円/㎡ |
防水シートの敷設費用 |
600円~1,000円/㎡ |
新しい屋根材の材工費 |
【和瓦】9,000円~1万5,000円/㎡ |
【スレート】 |
4,500円~6,500円/㎡ |
【ガルバリウム鋼板】 |
6,000円~9,000円/㎡ |
棟の設置費 |
2,000円~3,000円/m |
軒先、ケラバの設置費 |
1,500円~2,000円/m |
アスベストの撤去設置費(※) |
60万円~200万円/戸 |
屋根の葺き替え工事にかかる費用を決めるのは、「屋根の面積」と「屋根材の選択」の2つです。
屋根の形状や既存屋根の種類などによっても単価や合計費用は変化します。
既存屋根がアスベストを含んでいる場合は、法令により特別な撤去方法が必要で、別途60万円~200万円の費用がかかります。
この出費回避の対策としてアスベストを含む屋根ではカバー工法が採られることも多くあります。
(3-2)費用内訳の各項目について
1.足場の敷設、周囲の養生
まずは高所作業用の足場を設置した後、足場とその周辺に飛散防止用の養生シートをかけます。
足場代は700円~800円/㎡、養生代は200円/㎡前後が目安です。
足場代を節約しようとして足場の一部を省略すると、安全性や作業性が低下して良い仕事ができません。
葺き替えを、外壁塗装と同時に行うと、足場代が一度で済むので効率的です。
2.既存屋根材の撤去・処分
元の屋根材を剥がします。
アスベストが含まれていない場合、作業費は1,200円~2,000円/㎡が目安です。
費用には処分費用も含まれています。
アスベストが含まれている場合は、さらに高額になります。
3,000円~4,000円/㎡の撤去費用と、別途処分費用として2,000~3,000円/㎡、さらに処分場への運搬費として約30,000円~50,000円がかかります。
3.下地(野地板)の撤去・新設
屋根材を撤去した既存の野地板の上に、下地の合板を重ねて貼ります。野地板自体を新設する場合もあります。
費用は材料と施工費を合わせて、2,000円/㎡前後です。
野地板の補強は省略できる場合もありますが、野地板の経年劣化は屋根瓦より早いので、屋根材を新しくする際に同時に工事しておいた方が安心でしょう。
4.防水シート
下地(野地板)の上に防水シート(ルーフィング)を設置します。
費用は材料と施工費を合わせて、650円/㎡程度です。
葺き替え作業では、下地合板(野地板の補強)を省略する場合でも、防水シートは必ず施工します。
5.新しい屋根材
防水シートの上に新しい屋根材を葺きます。
一般的にはスレートで葺き直すか、より軽量でかつ耐久性の高いガルバリウム鋼板で葺き替えを行います。
費用はスレートの場合4,500円~6,000円/㎡、ガルバリウム鋼板の場合約6,000円/㎡です。
葺き替えでは、元が瓦屋根であった場合以外、瓦材はほぼ使われません。 屋根の重量が7~10倍になるため、住宅が重さに耐えられなくなったり、耐震性が下がってしまうからです。
6.棟板金、軒先・ケラバ板金等
葺き替え工事の最後に、棟や軒先、ケラバなどの納まり上、板金の加工が必要になります。
費用は板金の長さで決まり、棟板金が2,000円~3,000円/m、軒先・ケラバ板金が1,500円~2,000円/mです。
「スレート屋根からスレート屋根へ」以外の場合の葺き替え費用は?
葺き替え前 |
葺き替え後 |
税込相場目安 |
スレート |
金属屋根(ガルバリウム鋼板) |
約1,560,000円 |
スレート |
石粒吹きガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板) |
約1,890,000円 |
金属屋根 |
金属屋根(ガルバリウム鋼板) |
約1,620,000円 |
価格差は、新しい屋根材の材工費によって生まれます。影響は少ないですが、既存屋根の撤去費用も屋根材により変わる場合があります。